向上心の足跡

子育てエンジニア的つぶやき集

イギリスで宅配荷物が盗難に遭ったときにやったこと

4月の終わりに、住んでいるマンションの共同棚に届いた荷物が、2回に渡って3つ盗難にあってしまいました。単価がそこそこ高かったものが多く、被害額は総額4万円。私の荷物が2つと夫の荷物が1つ。
配送されたものが盗難に遭ったのは初めてだったので、あたふたオロオロ、各方面に連絡したりしてみたので、やったことと事の顛末をまとめてみました。盗まれても泣き寝入りしない!ただでは転ばんぞ!の精神で。

Amazonのお買い物だったり、大手メーカーの製品を買った場合はまた対応・フローが違ってくると思いますが、ご参考まで。ちなみに今回の盗難に遭ったお買い物は、eBayで個人sellerからのものが2点、セレクトショップで買って郵送してもらったものが1点でした。

何が起こったのか

私はeBayで個人出品のカバンを2点購入して配送待ち、夫は湖水地方旅行中にお土産のクッションを数点買って自宅に配送していました(旅行中は大きいので持ち歩けず)。
eBayから「品物の配送が終わりました」という通知が来ているのを確認したのが朝4:00。前日の20:00過ぎに届けられたっぽい。

朝早かったし、学校に子どもたちを送るときに確認しようと思って家を出る8:30に共同棚をざっと確認したところ、それらしき荷物無し。おかしいな?まぁ送った帰りにもう一度確認しようと思って9:10に再度確認したけれどもどこにもなし。
最初は「誰か間違えて持って帰っちゃったかな?」とか、「夜遅かったから配送会社の人が持って帰っちゃったかな?」なーんて思っていましたが、念の為「間違えて持って行っちゃった人は返しに来てね」っていう張り紙を共同棚にデカデカと貼っておきました。

が、しかし。日が経つにつれて誰も返しに来ないし追加配達も無さそう。さらに私の張り紙の隣に「私の〇〇、誰か盗んだわね!(Thank you for stealing!といういかにもイギリス的な書き出し) こっちも返しに来てね!」という張り紙が追加で貼られている…。そう言えば共同棚には住み始めた頃から「ここには泥棒が出るので荷物を配送しないでください」っていうポスターが貼ってあったぞ…、まさか盗まれた…!?

更に数日後、私のもう一つのeBayでのお買い物が同じ配送会社から同じくらいの時間帯に配送完了のお知らせ。無事届くか、無事受け取れるかめちゃめちゃ不安になっていた私は、通知を確認した朝3:30にマンションの共同棚にすっ飛んで確認…。

無い…!

一つ前の荷物紛失騒ぎがあったので、配送されるであろう場所に「ここで無くなりました!」て大きく張り紙しておいたのだけど。そこに配送されてかつ再度盗まれたらしい。

めちゃめちゃ楽しみにしていた荷物なのでかなりがっかりしつつ、夫に話してみたところ、そういえば夫が買って配送をお願いした荷物もまだ届いてないそうな。購入したショップに問い合わせると、すでに配送済みとのこと。配送会社は偶然私の買い物のときの会社と同じ。

ここで配送会社の配達記録や配達証跡を確認したところ、下記のようになっていることが判明。

4/1x        夫、湖水地方でお土産を買って自宅に配送
4/25        私、eBayで個人からカバン1をお買い上げ
4/27        私、eBayで個人からカバン2をお買い上げ
4/28 20:18  配送会社がお土産をマンションの共用棚に配達(写真の証拠付き)
4/28 20:20  配送会社がカバン1をマンションの共用棚に配達(写真の証拠付き)
■□■ 第1の窃盗発生 ■□■
4/29  08:30 私、荷物確認するも無し
            この間、共用棚に張り紙をしたり、配送会社のtrackingシステムを確認したり
4/30  20:13 配送会社がカバン2をマンションの共用棚に配達(写真の証拠付き)
■□■ 第2の窃盗発生 ■□■
5/1   03:30 荷物確認するも無し

どうやら夫の荷物と私の最初の荷物は同時に配送され、同時に盗まれたらしい。

考えうる対応とやったこと

2回目が発生するまでは、誰か間違えたのでは?とか配送会社の人が間違えたのでは?と、なんとなくまだ手元に帰ってくる気がほんのりしていたのですが、配送の証拠写真を見たり、だれも荷物を返しに来てくれないことでじわじわ「あ、これ窃盗かも」と気づき始めました。

下記、やったことリストです。

  1. 配送会社に連絡
  2. eBayの売り主に連絡
  3. ハウスオーナーに連絡
  4. ビルのマネジメント会社に連絡
  5. 警察に連絡
  6. 夫が購入したショップに連絡
  7. 日本で掛けてきた保険会社に連絡
  8. eBayに連絡

配送会社に連絡

まずは配送会社に「安全でないところに配達されたので盗まれたようです、保障できますか」と連絡しました。2回とも配送のタイミングでは家にいたはずなので、ドアまで配送してくれればそもそも盗まれていないし、特に2回目の配送時は「盗難にあいました!」と配送された棚に大きく書いた紙を貼ってあったし、1回目の盗難について配送会社に報告済だったし…。共同棚にはそもそも「ここには泥棒が出ます、ここに配送しないで直接ドアの前まで行ってください」って書いてあるし。
すると、「この度は本当に残念でした」「たしかに安全ではない場所に届けられたようです」「配達員の教育が行き届いていなかったようです」「最もいい方法は販売主に連絡して返金してもらうかもう一度同じ品物を送ってもらうかです」という返事が。
いやいや!!販売主に非はまったくないやん!?オタクは補償何もしないってこと!?と怒りに任せて書いて送ってみたら、返事はほとんどテンプレだったようで「この度は本当に残念でした」「たしかに安全ではない場所に届けられたようです」「配達員の教育が行き届いていなかったようです」「最もいい方法は販売主に連絡して返金してもらうかもう一度同じ品物を送ってもらうかです」とほぼほぼ同じ回答が。。。

これは埒が明かないわ、ということで一旦保留。

冷静になって考えてみると、盗んだ人が一番悪い。配送会社も一応ちょっとサボったとは言え、平時なら何も問題は起きない場所に一応配達してくれているわけで、泥棒さえいなければ悪くはない。でもこの時はかなり気持ちが動転していて戦闘モードになっており、ちょっと攻撃的な文章になっちゃってたなぁ、と反省。

eBayの売り主に連絡

配送会社に言われたことと、eBayに直接連絡する口が見つからず、まずは「届いていません」という連絡をeBayの売り主にしました。
今回の売主さんは個人っぽかったこと(メルカリみたいなイメージ)、売っているものも1点物で再送は不可能なことは承知していましたが、他にやりようがなかったので仕方なく。
売主さんも親切に、eBayの返金システムを案内してくれたのですが、運が悪いことに私が購入した2点目も同じ売主さん。同じ「届いていない」連絡をしてしまった上に、eBayの返金システムにつなげるためには「届いていない」というケースを立ち上げて売主さんとやり取りをし、1週間程度待つ必要があります。最初の方は親切に対応していただいていたのですが、2件目のケースを挙げた時点で「これは私に対する嫌がらせですか。もう連絡しないでください。」とブロックされてしまいました。まぁ気持ちはわかる。普通2件も立て続けにトラブルにならないよね。送り主さんは買われた商品を丁寧に梱包して送ってくれただけなのに。ごめんなさいね。

ということで、もともと期待していませんでしたが返金も商品の再送もなし。ただ、ここでケースを挙げたことで、後にeBayに連絡ができるようになりました。

ハウスオーナーに連絡

マンション内での盗難ということで、家をお借りしているオーナーに連絡してみました。賃貸会社なのですが、担当の方がめちゃめちゃいい人で、すぐにレスポンス有り。マンションのセキュリティに連絡して、セキュリティカメラをチェックしてもらうように要請してくれるとのこと。そうだ、カメラ付いてた!
2件目の盗難発生後もすぐに連絡し、即レス。ありがたい。しかし、それっきり音沙汰なし。自分でも直接ビルのマネジメント会社に連絡してみることに。

ビルのマネジメント会社に連絡

私が共同棚をあまりにもバッタンバッタン開けて頻繁にチェックしているもんで、掃除のお兄さんに声をかけられました。「荷物がここに届いて盗まれたっぽいんですよねー」って話すと「オゥ、俺も盗られたことある」とのこと。イギリスではもしかしてあるあるなのかな?ここはロンドンより治安が良いと聞いていたけど…。「ときどきマンションの入口のセキュリティゲート開けっ放しになってるし、フードデリバリーなんかの人もよく住人の後ろについて入ったりしてるから、実質ここのセキュリティガバガバなんだよね」ですって。確かに。
彼からもビルのマネジメント会社に連絡してカメラ映像をチェックしてもらうことを勧められたので、連絡してみました。すると、「5月6日までバカンス中なので返事できません」と。しばらく待ってましたが、そう言えば未だに返事来てないな。この記事書き終わった後もう一回連絡してみよう。

ということでセキュリティカメラのチェックはまだ出来ていません。ただ、犯行現場が映っていたとして、犯人を捕まえられる、品物orお金が返ってくる保証は全く無いので、カメラ映像が出てきたら警察に提出するくらいかなぁ。

警察に連絡

盗難だ、と認識した時点でとりあえず警察に連絡してみよう、となりまして。緊急性はないし、イギリスの救急車の電話が繋がりにくかったので警察も繋がりにくいだろうと思い、交番に行ってみることにしました。
GoogleMapで検索して最寄りのPoliceOfficeに行ってみると「ここはPoliceじゃないぞ」と。どうやら移転したらしい。移転先を地図で教えてもらうも、行ってみたら民家。結構遠かったんだけどなー。更に通りががりの人に「この辺にPoliceStationないですか?」って聞いてみたら、3人目くらいの人が「近くによく警察車両が止まっている場所があるから行ってみれば?」とのこと。よくわからないけど、そこに行ってみて、中に入れないので入り口をウロウロしていると、お弁当買ってきたっぽいおじさんが。「ここはPoliceStationですか?」と聞いてみると、「ここは駅専用のPoliceOfficeなので盗難には対応していない」と。街の反対側くらいにある場所を地図で示して教えてくれ、ここに行くかWebで報告するように、と言われる。
Webで報告なんて考えても見なかったけど、大変合理的。とりあえず近所の交番に行ってみようと考えるのはイギリスでは一般的ではなかったか。というか交番探しクエストが発生するとは思わなかった。
一旦家に帰ってWebで盗難を届け出てみましたが、ちゃんとした回答は返ってこない予感しかしなかったので、後日教えてもらった交番に行ってみました。
受付で荷物が盗難に遭った旨を伝えると「私達にできることはなにもない」「証拠もなにもないし」「これ以上話したければWebでやってちょうだい」とのこと。合理的なんだろうけど、日本の交番と違いすぎた。
ただ、今後の対策として、私達の住んでいるマンションに届けるのは危ないから、夫の職場に届けてもらうのが良いんじゃない?と教えてもらいました。これも考えもしてなかったので、良いアドバイスがもらえてよかった。

私の住んでいる地域では、こういった盗難案件は警察動かないみたい。もう窃盗し放題じゃん?と思ったけど、自衛が大事ってことなのかな。
後日、Webで報告したやつに「地域の安全にご協力いただきありがとうございました」みたいなメールとお手紙が来た。こっちはもう少し協力してもらいたかったですよ…。

あと、このお手紙は後述の保険会社に一応証拠として提出予定。

夫が購入したショップに連絡

夫は自分の荷物が盗難に遭ったと気づいたのが遅れた & 荷物のトラッキングが全部お店側に連絡が来ていたため、だいぶ経ってからお店に連絡しました。返金か、同じ商品を送ってもらうようにお願いしてみたそうなのですが、20%割引で同じ商品を売るのが最大限できることです、とのこと。お店側からしてみれば商品が盗まれたという証拠もないので、当然の対応のような気もする。
夫はどうしても欲しかった商品だったらしく、20%割引で再度購入したみたい。送り先を警察の助言通り職場にして、問題なく受け取れたそうです。

日本で掛けてきた保険会社に連絡

そういえば、物の盗難・破損・紛失についてこっちに来る前に1年間の保険を掛けてきたのでした。全品物分、保険の対象になるか問い合わせたところ、今回のケースではおそらく全部対象になるとのこと。医療保険とかも合わせて20万円くらい掛けてきているので、結構対象範囲が広かったのが幸いしました。これが適用されそうというのがわかった時点で、だいぶ心が軽くなったのでした。

この保険の存在、私は盗難を認識してからかなり視野が狭く、気が動転していたのでこれも思いつきもしなかった。夫が冷静に思い出してくれて助かった。とにかく他の人に話してみる、助言を求めてみるのはとても有効だった。

eBayに連絡

満を持して、売り主と連絡をとってから1週間が経過したので、eBayのカスタマーサポートに連絡をしました。1週間経つと、売り主との「荷物が届いていない」ケースのやり取りに「eBayの介入を依頼する」というボタンが出現します。ここで、事の顛末を詳細に報告し、refund(返金)を依頼しました。
配送会社からの「たしかに安全ではない場所に届けられたようです」という文言が入ったメールを提出したところ、無事届け出が認められ、更に5日後くらいに返金の入金が確認できました。

eBayの返金システム、返金までの入り口探しがとても大変かつ、返金システムがスタートできるまで1週間も待つのに忍耐が必要でしたが、フローが始まってしまうと必要な条件・情報がわかりやすく提示してもらえてよかったです。さすが大手。

そして、少額の買い物だったり、そこまでこだわらない人であれば、この待ち期間に返金は諦めちゃうと思うので、この待ち期間の設定もうまいな、と思いました。

結果どうなった?

今回はeBayの返金システムにて、私のeBayでの買い物2件が返金対象になり、報告から2週間後に返金を受け取ることが出来ました。また、夫のお土産については保険の対象となるそうなので、日本で海外滞在用にかけてきた保険から降りる予定です。

イギリスでの配送・盗難にまつわる教訓

  • 誰でも入れるスペースのロッカーには、貴重なものを配送してもらわないようにする
    • 職場など、常に受付に人がいる場所を設定する
  • 貴重なものの配送には、なるべくサインが必要な形式の配送方法を指定する
    • 他、Click&Collect という、近くのコンビニ的な店舗に配送してもらって取りに行く比較的安全な方法も選べることが多い
  • 犯罪に遭ったら、とにかく自分より冷静でいてくれる人に話して助言を求めてみる

他の気付きとしては、とても楽しみにしていた滅多に買わない金額の買い物だった(そんなに高くないけど)ことも有るけど、自分が思ったより気が動転してしまっていたことです。盗難だと気づいた日の夜は、怒りと、どこにどう連絡すべきか考えるのと、緊張とでなかなか眠れませんでした。さらに1週間くらいは、生活に必要ないものは何も手つかず状態だった気がします。
日本に帰るときに送る船便、全部無事に着くだろうかとか、せっかくこっちで買ったものも全部なくなっちゃうかもしれないのか、とか、悪いことを考えがちでした。命の危険があったりしたわけではないし、金額もすごく大きいわけではないのに、犯罪に遭うとこんなに神経を削られるのかと思い知らされました。犯罪、ダメ、絶対。

また、在英日本人の皆様、オンライン・オフライン含めて色々助言をしていただいて本当に助かりました。結局品物の奪還や犯人の逮捕には至らなかった訳ですけど、どういう対処方法が考えられるか、どうやって予防するのか、一緒に考えてくれたり、話を聞いてくれるだけでもありがたかったです。
警察絡みで、車の盗難についても「自分で探せ」「Webで報告しといて」って言われた話を聞いて、あぁ自分の悩みなんてちっぽけだわって思えたのも良かった。(いや良くないけど)

海外生活でのトラブル、必要以上に気持ちがやられたり、対応に追われたりするので、適度に周りの人に頼りつつ、愚痴を吐きつつ、自分を甘やかしつつ、時には潔く諦めつつ乗り越えていきましょう。